第1章

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ライムと良の会話から翌日、翌々日と変わりのない学校生活が過ぎる。 ただ、三日後は朝、起きたときからライムは、胸がざわめくような感覚でいっぱいだった。 そのざわめきは、決していいものではない。嫌な感じのするざわめきだった。 部屋のカーテンを開けると、朝日が差し込んでくることはなく、空がどんよりとしていた。 雨は降っていないが、いつ降ってもおかしくないような雨雲で空が覆われていた。 朝食を済ませ、歯磨きをし、玄関へ行き、靴を履く。 ライムは、いつも通りに 「いってきます。」 と声を出した。 しかし、いつもなら聞こえるはずの母の 「行ってらっしゃい。気をつけてね。」 という声が聞こえない。 ライムは、おかしいと感じたが、家の中まで入って、母の様子を確認することはなかった。 洗濯物か何かをしているのだろうと思った。 食器の洗い物をして、その水の音で聞こえないのだろうと思っていた。 考えもしなかった。 母親が血を流し、殺されていることなど微塵にも考えるはずもなかった。 何故なら、それはほんの一瞬の間でしかなかったのだから。
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