第1章

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ライムは、普段どおりの時間に登校する。 「おはよう、ライムくん。」 佐織が話しかける。 「おはよー、ライムくん。」 美代が話しかける。 「ようっ、イケメン君。昼飯忘れんなよっ!」 良が話しかける。 雨雲に覆われた空。嫌な感じのざわめきがするライムの胸中。 それは、単なる考えすぎなのかもしれないと思った。 登校しても、いつもどおりなのだから。 いつもどおりに朝のホームルームが終わる。 そして、一時間目の始まりを告げるチャイムが鳴る。 一時間目が始まり、五分とも経たないうちにライムのクラスに担任の安芸先生が息を切らして走ってくる。 何やら、廊下で安芸先生を中心にし、先生たちがざわついている。 そのとき、ライムが廊下に呼ばれる。 良は、ライムが何故呼ばれたのか気になって仕方なかった。 安芸先生がライムに何を話しているのか良に聞き取ることはできなかった。しかし、何か良からぬことが起きたことだけは分かった。 ライムの顔が真っ青になっていた。 ライムは、学校を飛び出すように走り出して行った。 その直後だった。いずれ、みんなにも伝わるからとの理由で何が起きたのかを担任の安芸先生が話してくれた。 そのときに、良は知った。 おばさんがー。昔から親しくしていたライムの母親が何者かに刺されたということをー。
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