とりっぷ！

この地球であってこの世界ではない。

同じであって同じでない。

まったく違うその世界。

けれど存在するのは同じ時間同じ場所。

「そういうのを、パラレルワールドっていうんだよ」

そう教えてくれたのは無駄に、そう本当に無駄な雑学ばかりを知っているカノンだった。

そのときはただへえ、と

どこか気のない返事をしたナナミとユリナ、

そしてカノン自身ありえない話だと

３人一緒に笑い飛ばしてしまった日常のほんの些細な一部での話だったのだが。

ああ神様。

まさかのまさか、おそらくここはパラレルワールド。