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「もーっカノンはさあ、優しすぎるんだよっ馬鹿!!」
「お前一番家、遠いくせによ」
「だって先生困ってたし」
結局3人は教師から教材の山を視聴覚室の準備室においてくるように、と言いつけられてしまった。
重たい教材を手に、大声で愚痴を叫びながら視聴覚室へ向かっていた。
視聴覚室は3人の教室から一番遠いところにある。
「まあその優しさがカノンらしいけどな」
散々カノンに文句を言っていた2人もなんだかんだで結局は優しく、落ち込む歌音を慰めるように言った。
この少女たちは学年でも有名な仲良し3人組である。
今この状況を作り出してしまったのが小鳥遊 歌音(タカナシ カノン)。
高めの身長に長い黒髪。その容姿からクールビューティと呼ばれるが、見た目とは裏腹に物腰は柔らかく大人びている。
そんな歌音を馬鹿だといったのが間宮 百合奈(マミヤ ユリナ)。
かわいらしい癖のついたセミショート。
低く甘い声が特徴的。少し強引なところは目立つが裏には優しさが見え隠れする。
そしてもう一人、本田 七海(ホンダ ナナミ)。
ショートヘアにそこらの男子よりかっこいい顔立ち。子供っぽくて甘ったれだけど憎めない、そのくせにここ一番で頼れちゃう男前。
すでに高2になっていて、クラスは別になってしまってはいるが中学生のころからの親友であった。
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