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家族って、どうしてこうも近くて遠くて、憎らしくて いとおしいのだろう。 ***** 家族のことを、ずっと疎ましいというか、やっかいだなぁって思いながら生きてきた。 私のうちは絶対ヘンだと思う一方で、このうちのルールこそが自分のすべてで、世界のすべてだとも思っていたような気がする。 今、結婚して実家を離れ、婚家の中で異文化コミュニケーションにもまれてみると、時折愛犬ともども泊まりに来たり、母から電話が来て愚痴を聴いたりしていてなんだかヘンだなぁって思うことの方が圧倒的に多くなった。 そのヘンなことどもについて、書き残していきたいな、と思い立って。 誰かのこころに、そうだよねー!と響くことを祈りつつ。 まず、ヘンなことその1(おそろしく沢山あるのです)。 姉はどうしていつも不満ばっかり言っているのだろう。 医療系の仕事をしている姉は、何やら職場の人との折り合いが悪いらしくて、とにかくずーーっと誰かにこうされた、こういわれた、どうしてくれようという話ばーっかりしている。 普通さ、生きてたら嫌なこと8割あってもいいことも2割か1割はあると思うわけですよ。 でもね、彼女にはどうもそのいいことがまったく見えなくなってしまうみたい。 キャンバスに落ちた黒いシミが、ぶわーっと広がって白いぽちぽちとした出来事もなかったことになるらしい。 しかも、その黒いシミになった出来事を執念深く覚えていて、いつまでたっても過去のことにならない。 思春期の頃の私が姉にしてしまったちょっとした意地悪を、もう20年近くたつのにまだ怒っていたりする。 なんという記憶力、なんというエネルギー。 すげーな!と目を見開いたのは、先日ついにiPhoneに機種変更した時、なんかお店の人が必要な書類は受け取りの時にはいらんと言っていたのに突然住民票を出せって言ったんだって。そこで「アラ聞いてなかったわ。いるなら先に言っておいて下さらないと」って言えばいいのだけど、それを言わずにちくしょうめと2週間たとうというのにまだ怒っていたりする。40歳なのに。大人なのに。 姉は私が子どもの頃から病気ばかりしていたから、思春期を堪能できなかったんだな、と気がついて、遅すぎる思春期を彼女は今闘っておるのだなと思うことにしたらふっと楽になり、出張中の夫にぼやきながら日々を過ごす、晩秋の私なのでした。
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