-161-「古池あおいという女 にて」

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────…莇家 アクア 「私はね、失望したよ!みっくんに!」 このは 「…重いな」 アーク 「虐待なんて許せない!!絶対に!!」 憤怒 このは 「あぁ…この家で最も虐待受けてるだきゃある勢いだな」 アーク 「うるさいよ …このは。児童虐待なんてものは本当に最悪なんだよ」 このは 「そりゃあそうだろ。親がストレス解消か躾か知らんが暴力振るうんだろ、子どもに。あり得ねぇよな」 アーク 「そっちもだけど!子どもの立場になってみてよ 毎日暴力に曝されてさ。でも、虐待を受けてる子どもたちって…なかなか自分から助けを求めないんだ。他の犯罪には無い特徴がある。なんでだと思う?」 このは 「言ったらまた殴られるからじゃね?イジメみたいに」 アーク 「それも一つだね」 アクア 「脳みそが麻痺しちゃってるんだよ!」 アーク 「それもその通りだ。虐待を受けた子どもって脳が萎縮するというデータがあるしね …でも。もっと大きな要因があるでしょ」 このは 「はー…?」 アクア 「なになに」 アーク 「…それでも、親が好きなんだよ」 アクア 「……」 このは 「……重い」 アーク 「重くたって現実さ 子どもにとっては、親って最も頼れる人間だ。ずっと一緒にいてほしい人間だ。子どもにとって親ってのは……神様なんかよりずっと憧れて、尊い存在なんだよ」 アーク 「…だから、言えない。自分が信じてるものを否定しなくちゃいけないんだよ?そんなの、子どもがそう簡単に出来ると思ってんの? …被害者が一番、加害者のことを信じてて、守り通したがる。こんな犯罪の図式、そうあるもんじゃないでしょ。だから…難しいんだ、虐待の問題ってのは」 アクア 「…そっか。みっくんもこれが言いたかったんだなぁ。やっぱ失望しない でも…どうすれば?」 アーク 「無理やり引き剥がしてもいいかもしれないね。彼女はもう子どもじゃない、それが出来る年齢だ でも、それによって出来る心の傷の深さはきっと変わらない。やっぱり…自分から変わろうって気持ちにさせるのがいいんだけど」 アクア 「自分から、かぁ …そっか。だからみっくんは…あぁ言ったんだ。セーフティネットがあるってことを伝えるために」 アクア 「…みっくん、やっぱり凄い良い人じゃん …私がバカだった。自分にムカつくなぁ…」 くしゃくしゃ
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