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────…莇家
アクア
「私はね、失望したよ!みっくんに!」
このは
「…重いな」
アーク
「虐待なんて許せない!!絶対に!!」
憤怒
このは
「あぁ…この家で最も虐待受けてるだきゃある勢いだな」
アーク
「うるさいよ
…このは。児童虐待なんてものは本当に最悪なんだよ」
このは
「そりゃあそうだろ。親がストレス解消か躾か知らんが暴力振るうんだろ、子どもに。あり得ねぇよな」
アーク
「そっちもだけど!子どもの立場になってみてよ
毎日暴力に曝されてさ。でも、虐待を受けてる子どもたちって…なかなか自分から助けを求めないんだ。他の犯罪には無い特徴がある。なんでだと思う?」
このは
「言ったらまた殴られるからじゃね?イジメみたいに」
アーク
「それも一つだね」
アクア
「脳みそが麻痺しちゃってるんだよ!」
アーク
「それもその通りだ。虐待を受けた子どもって脳が萎縮するというデータがあるしね
…でも。もっと大きな要因があるでしょ」
このは
「はー…?」
アクア
「なになに」
アーク
「…それでも、親が好きなんだよ」
アクア
「……」
このは
「……重い」
アーク
「重くたって現実さ
子どもにとっては、親って最も頼れる人間だ。ずっと一緒にいてほしい人間だ。子どもにとって親ってのは……神様なんかよりずっと憧れて、尊い存在なんだよ」
アーク
「…だから、言えない。自分が信じてるものを否定しなくちゃいけないんだよ?そんなの、子どもがそう簡単に出来ると思ってんの?
…被害者が一番、加害者のことを信じてて、守り通したがる。こんな犯罪の図式、そうあるもんじゃないでしょ。だから…難しいんだ、虐待の問題ってのは」
アクア
「…そっか。みっくんもこれが言いたかったんだなぁ。やっぱ失望しない
でも…どうすれば?」
アーク
「無理やり引き剥がしてもいいかもしれないね。彼女はもう子どもじゃない、それが出来る年齢だ
でも、それによって出来る心の傷の深さはきっと変わらない。やっぱり…自分から変わろうって気持ちにさせるのがいいんだけど」
アクア
「自分から、かぁ
…そっか。だからみっくんは…あぁ言ったんだ。セーフティネットがあるってことを伝えるために」
アクア
「…みっくん、やっぱり凄い良い人じゃん
…私がバカだった。自分にムカつくなぁ…」
くしゃくしゃ
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