一羽 金色の園

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 しかし、今まで迷いが一切なかった足取りが不意に止まったのだ。  一瞬だけ振り返る。  その視線の先、まだ建設中の城の塔の一つを見てしまう。  最上層部分はまだだが、下層部分はすでに人がいるのだ。  まだ明かりはついていた。  だが、次の瞬間、その人影はもうそこには存在していなかった。  そして、それから九年の歳月が流れていった……                 ・
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