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デニスは豪快にサンドイッチを頬張っていった。
「取れるもんなら、とってみろってんだ!」
空に向かって右腕を突き上げ言う姿を見て、やれやれと彼女はため息をついた。
「これから街へ?」
「あぁ、そろそろ納めにいかねぇとな」
積み荷はこの地方で取れるものばかりだ。
中には鉱石なども含まれるが、ほとんどは農作物だった。
国の中原……その南西の国境付近に位置するこの村での収入源はほぼ農作物だった。
だが、基本的に自給自足が出来ているために、不自由な暮らしではなかった。
「ママ、お腹空いた」
「あぁ、ごめんなさいね。それじゃ、デニス吉報を待ってるわ」
「わっはっは! 誰にものをゆうとるんじゃ!」
愉快げに笑うと、彼は手綱を引いた。
馬たちはゆっくり、そして彼の口笛に合わせて進んでいった。
「さ、私達もご飯食べようか」
「うん!」
ようやくはっきりと喋るようになった息子の頭を撫で、彼女は家の中へと戻っていった。
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