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動物ならば食べるだけだろう。
しかし、これは違った。
むしろここまで踏み固められるように道が出来ていると言うことは、なにかが大量にここを通ったと言うことだ。
彼女は跪き、何かないかと近くを探った。
さすがに何もないかと、しばらくして諦めようとしたときだった。
道から少しずれた所、麦に隠れるようにして何かが光った。
拾い上げ、そしてこの場所の地理をかんがえた。
「……なにかがまた起きだしている?」
微かな焦燥が彼女の胸に揺らいだ。
その日の夜だった。
村から少し離れた国境の方で空が紅く染まっていたのは……
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