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『昭人! 青い、青い魚が来るぞ、カメラはないのか』
「携帯ならある」
『撮れ、撮れ今!』
「今とか間に合うかあ!」
文句をつけながらも昭人は素早く撮影してくれた。広希ならこうはいかない。
「あー……ギリギリ写った。見る?」
昭人の手元を覗きこむ。
ぼやけた魚の尻尾だけが写っていた。
「次来たらちゃんと撮るから待ってな?」
『……ああ』
奇妙なおもはゆさを覚えた。
「はい、来たー!!」
きゃー、と昭人の腕で浄火が叫ぶ。
すぐに撮影した画像をチェックしている。
「青い、デカイぞ美刀。近すぎて顔しか映ってない」
『充分だ……凄い。いい腕だな』
「携帯壊す人と一緒にするな」
広希のことだとすぐに気づく。
ニヤリと笑ってしまった。
『携帯壊す人は一緒に見てもつまらん。昭人といてもいいか?』
『あたしは構わないわよ』
「……おれに返事させろ」
『昭人、また青い魚だ!』
「よっぽど気に入ったんだなー。よかったな美刀」
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