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天才数学者アーメン・ユーグフリードSNPL 将軍。
この、将軍というのは、普通の将軍ではない。土木の将軍だ。現代でも、アメリカの大規模な土木工事は、軍が行っている。
それに、大昔には、建設会社は、なかった。
大昔に大規模な土木工事をする場合、大勢の人間で作るしか方法がない。
そして、大勢の人間がいるのは、軍しかない。だから、アーメン・ユーグフリードは、一種の将軍だ。
大昔に、大規模な建設工事があった。
だが、それよりもっと前は、工事は小規模だった。そして、アーメン・ユーグフリードも、まだいなかった。
そのころは……… 、おそらく……… 、
ある日、王様に、現地の大臣が、話しかけた。
「王様、王位即位記念碑を作ったらどうですか?」
「いいね、それ。」
「費用は王様持ちでいいですか?」
「ああ、かまわない。」
そのようなことがあって、王位即位記念碑というものを作ることになった。
その数日後、また現地の大臣が、王様に話しかけた。
「王様、王位即位記念碑を作ることに決まりましたが、それを、どこに置きましょうか。」
「どこに置くとは?」
「ですから、王位即位記念碑を、石切場の瓦礫の中に置きましょうか、
それとも、石切場に倉庫を作って、その中に置きましょうか、
それとも、人通りの多い街道のそばに置きましょうか、どうしますか?」
「それは… 、街道のそばだろう。」
「街道のそばですか。それなら、街道のそばに、王位即位記念公園を作って、そこに王位即位記念碑を置いたらどうでしょう。」
「… それで、いい。」
「ということで、王位即位記念公園の費用も王様持ちでよろしいですね?」
「わかった。」
「その王位即位記念公園の土地は、王様の買い取りになりますが、このくらいの値になります。」
その値は、王様も、少しためらう額だった。
「それは、少し高いんじゃないかな。」
「1年か2年で、更地に戻すわけではなく、永遠に、王様個人の土地になりますので。」
その土地は、岩や石や砂しかない土地で、何の植物も育たない、何の鉱物も採れないところだった。
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