これからの

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案内された城は、外観と同じで内装も白が主だった。 なんというか、想像と違って清潔感があり……しかしどこか機械的な印象を受ける。アスラは一応警戒しながら足を動かす。 「フィア、他の連中はどこに?」 「多分まちまちなんじゃないかなー。リリスはお昼の用意してるんだろうけど。修斗はなにしてたの?」 「花の水やり。今日は俺が当番だから」 前を歩く2人の会話は、ほのぼのしているというか、どこの家庭でも聞けるであろう日常的なものだ。 だから余計に気が抜けるというか、拍子抜けしてしまう。 「……あの、2人はどんな関係で?」 「そうだな、俺にとっちゃ育ての親みてーなもんだ。年の離れた姉貴っつーの? そんな感じ」 アスラの疑問に、修斗は振り向きつつ答えた。口調はフィアに対する親愛の情が感じ取れた。 「仲がいいんだね。フィアさんと」 「フィアは親父の戦友だ。お袋とも仲がいいみたいだし……俺もガキの頃から世話になってる。一番信頼できる奴だよ」 そう喋る修斗は微笑みを見せた。 釣られてアスラも僅かに頬を緩めた。
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