これからの

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「お前だってそのはずだぜ。勇者の在り方は、何も魔王を殺す為にあるだけじゃねーだろ。じっくり考えてくれや」 そう言うと、修斗は勢い良くおかわりを所望した。 リリスがそれに笑顔で応え、皿に大盛のパスタをよそっていく。 アスラは修斗の言葉に、深く考えさせられることとなった。 今一度、勇者の……自分の存在意義を見つめ直す必要がありそうだったからだ。 「んー? アスラちゃんは食べないのかい?」 「あっ、いや……そういうわけでは」 「ここの城の人らはよく食べるからね、アスラちゃんも早く食べないと自分の分がなくなっちゃうよ」 手元が止まっているのを見てか、白衣の少女、エルが気を遣って言葉をかけてくれたようだ。 アスラはそれを聞いて、再び食事に集中した。どれもこれも皆、極上の美味さ……とりあえずは、これを食べ終えてからでも、思案するのは遅くないか、と夢中で料理を頬張った。
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