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その昼食が終わった直後。
アスラと修斗は二人並んで基地のような城内を歩いていた。
「……少し食べ過ぎてしまったみたいだ。美味しくって、つい」
「はは、無理もねぇや。リリスの手料理初めて食ったら、そりゃ衝撃もどーんと受けるだろうぜ」
アスラは僅かに顔を赤くしながら、お腹をさすった。
一方で、そのアスラの倍以上を平らげた修斗はけらけらと笑っている。
「今日は天気もいい。中庭にでも行ってみるか?」
「うん……興味あるかな」
そう、元々これは修斗の提案した、魔王城案内なのである。
アスラも特に拒むことなく……いや、おそらくこれから住む場所になるであろうこの城の内部構造を把握しておきたかったのだ。
少し歩くと、そこはもう中庭だ。
「ここは四つある中庭のうち、南西に位置する中庭だ。結構広いだろ?」
「確かに。花も咲いているし、良いところだね」
「四つそれぞれで、植えてある花も違うんだ。今度暇だったら探してみな。とりあえず食休みでもしようか」
そして、修斗は中庭のベンチに腰を下ろす。アスラも続いて、彼の隣に座る。
……2人の距離感は、およそ一人分間隔だ。
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