4人が本棚に入れています
本棚に追加
修斗は立ち上がり、愛を起こさないように優しく抱き抱えると、静かに言った。
「ついて来いよ。お前の部屋に案内してやる……少し寝ろ」
「……ありがとう」
そうして、アスラは修斗の一歩後ろを歩く。
渡り廊下の扉から城内へ戻り、先ほど愛が飛び降りてきたらしい塔の方へ向けて歩を進めていく。
「……この塔も、中々の広さだね」
「基本、居住区はこの高層建造内だ。風呂はここの五階……一階は憩いの場的な? それ以外はみんなの寝室。部屋は持て余すほどある。なんせ城の広さに反して人数が少ないから。地下室の入り口もここから……ま、地下にあんのはエルの研究室とトレーニングルームくらいのもんだ。あんまり面白くねぇかもな」
「凄いね、ほんとに……」
ただただ感心するばかり。
2人はエレベーターに乗り込んだ。そして修斗は9のボタンを押す。
「私は九階の部屋なの?」
「ああ、日当たりもいいし、丁度空いてる」
「何から何まで、ほんとにありがとう」
そんな会話をしつつ、九階に到着。
しばらく歩いて部屋の前に。
「ここだ。鍵は掛かってない。部屋の中の机、その一番上の引き出しに入ってるから」
最初のコメントを投稿しよう!