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「何だこれ!!」  カムイは驚いて手を引き抜くと、何とも無かったかのように元通りになった。痛みも変化も無く左右の指の長さも同じだ。次第にその螺旋は速度を増した。そして写真のピントの合っていない部分のようにぼやけた景色が出来上がると、ようやくイザベラは額の汗を拭って「ふぅ、」と息を付いた。 「さぁ、行きましょう」呼吸を整えながら、イザベラは二人に声を掛けた。  カムイはアーリオの背中を押しながら「おまえ先な……」と言い、アーリオは笑いながら躊躇いも無くそのピンぼけの空間に入って行った。
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