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それが聞こえなくなったのは私が中学一年の時。
その辺の記憶は曖昧だけど、確か誰かに一度精密検査をと促されて、だいぶしぶっていた祖父が検査を受けたのがその頃。
中学時代の自転車は祖父に買って貰ったものだから、多分秋くらいだったと思う。
ある日付けていたブレスレットが前触れもなく外れた。
霊感とか予知とか、
不思議体験なんて全くない私は
少し不吉に感じただけで
あまり気にしていなかった。
けれど、
帰宅した私に
母は潤んだ目で私に言った。
「じぃちゃん、癌やって。」
それから母の介護生活が始まった。
介護と行っても入院だったので洗濯や付き添いくらいだけど
ほぼ一日おきに病院へ母は通った。
私はあまり行かなかった。
微妙な思春期やら、疲れてたりやら。
行ってもすることがなかったし、どぎまぎして何を話していいか分からないし、
今思えば何かしら理由を付けて避けていた。
しばらく行かない日が続くと母に「会いにきて」と言づてがあった。
そんな入院生活は1年程続いた。
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