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すると、岩場にロックンローラーが現れた。
ジャジャーン!
エレキギターを弾きながら、ポーズを決めるヘビメタなカノエ。
アンプはどこに有るんだ…?
「俺のハートビートが止まらないぜ!」
ポカーンとする一同を気にせず、カノエがノノに向かって。
「こら!ノノ!
いま神通力使っただろ!
ダメだっつーてんだろうがっ!!!」
「はにゃぁぁ───っ!
ごめんちゃいだの!
でも、すぐ止めただの!」
「うっかり使っちゃったじゃ済まねーんだよ。何のために目覚めたのか判ってねーのか?
ったく…。まだまだ危なっかしい野郎だぜ…」
すると…。
「またウヌは妙ちきりんな格好をしおって…」
ノノの発動した神通力に反応したらしいサクヤまで現れた。
そんなサクヤに、ヘビメタ鎮守カノエがキメながら。
「俺のハートは8ビート!お前のハートは2ビート!」
「たわけ。日本語を喋らんか。
ん…?
おぉ!ノノ!川に入れたのかえ!?」
するとノノがコクンと頷いて。
「一平くんと水遊びしてただの!」
「これは…また何と…。
一平」
「はい?」
「でかした。誉めてつかわす」
「は…?別に…ただ一緒に遊んでただけですけど…?」
すると、そんな一平をしばし眺めたサクヤが、岸辺の千秋に向かって。
「千秋。何じゃ。ノノの正体を明かしてやっとらんのか?」
「あ…。はい…。
何だか…言う切っ掛けが掴めなかったものですから…」
「それでは本当の友になれんではないかぇ。
お前がノノに一平と友になれと願ったのであろう?」
「はぁ…。おっしゃる通りで…」
「仕方がないのぅ…。
お前は気が優しいからのぅ…。
ならば、吾が話してやろう。
ノノにとっても、一平は良縁と見受けられるからの。
褒美のつもりで聞かせてやろう」
「ヘィ!俺は歌うぜ!」
「お前は黙っとれ。
お前のは歌ではなく騒音じゃ」
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