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場所を鎮守カノエの神社に移した。
すると、途端にサクヤが叫ぶ。
「な…何じゃ!?この社は!?」
神社自体は小さくとも一般的な建物だったが、空間の裏側に造られた亜空間に神は住んだりしている。
なかなか人が立ち入れる場所ではないが、カノエが招き入れたので入ることが出来た。
そこが…。
ヘビメタだった。
「サクヤは山奥に居るから遅れんだっつーの。
超イカすんだぜ?ヘビメタ」
「南蛮かぶれしおって!
古来、我ら大和の神々は雅楽をたしなむものじゃ!
何じゃ!?ヘビメタとな!?」
「エレキの響きが俺の魂を揺さぶんだよっ!!!」
「話にならんな。
何でこんなのが我がつがいの背なのかのぉ…。
ノノ。帰るぞ。
やはり山の我が社の方が、雅やかで風流じゃ
千秋の草ダンゴも早く食いたいじゃろ?」
「ゆん!草ダンゴだの!
大好きだの!」
「一平とやら。そちも千秋と一緒に来るが良い。
我が社に招こう」
すると、カノエがノノに向かって。
「ノノ」
「あいっ!」
「良い玉露が手に入ったんだが…、淹れてやろうか…?
草ダンゴによく合うぞ?」
「わぁ!玉露だの!
草ダンゴと玉露だの!」
黒い革ジャンを着た神様が、そそくさと急須を手にする。
カノエとサクヤはそれからもギャーギャー喚き合っていたが、千秋が一平とノノに手を洗わせて、草ダンゴを出してやる。
「さぁ、ノノくん。一平くん。
お食べなさい」
「いただきますだの!」
ハム…。
ノノの食べ方は、なんかウサギかリスのようだ。
「んむぅぅぅ~!美味ちーだの!」
まだ千秋を警戒していた一平が、そんなノノを見て一つ草ダンゴを食べてみる。
「じゃ…じゃぁ…、僕もいただきまーす…」
ハム…。
「どうだい?
美味しいかい?一平くん」
「は…はい…!とっても!
ありがとうございます!」
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