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草ダンゴを食べ終えたノノが、玉露をズズズゥ…と美味しそうに呑んでから、ピョコッ!と顔を上げた。
「ごちそうさまだの!
千秋くん!ありがとうだの!」
「喜んでもらえて良かった。
あ。そう言えばノノくんはクズキリも好きだったよね?明日はクズキリを買ってこようか?」
「オラ、水羊羹も大好きだの!」
「あははははは。そうだったね?
なら、ノノくんの自由時間のこれから数日、毎日色んなお菓子を買ってこようね?」
「お供え物してくれるだの?」
「いぃや?
御加護なんていらないさ。
俺はただ、またノノくんに会えて嬉しいだけなんだから。
プレゼントだよ」
「んん…。ダメだの…」
「ん…?」
「神ちゃまは…与えるものだの…。
与えられるだけは…メッだの…」
「あぁ…。そうなんだ…。
困ったな…。
なら…何かノノくんに御加護をもらわないといけないのか…」
「加護も…そんなに出来ないだの」
ノノ、しょんぼり。
「え?」
「神通力…今は十分の一も出せないくらいに封じられてるだの…。
で…でもっ!神通力じゃなければ何かしてあげられるだの!!!
………お菓子…欲しいだの…」
「あははは!
そうなんだ!うん。良いよ?
それなら…。
んん~…。そうだなぁ…。
新月の日まで、この一平くんのお友達になってもらえないかな?」
「それで…良いだの…?
一平くんとは、もうお友達だの」
「うん。それが良いな。
一平くんが嫌じゃなければね」
「一平くん…?
オラ…一平くんにお友達にして欲しいだの!」
だから一平が、半月後には再び深い眠りに入ってしまうノノへの切ない気持ちを一度こらえて。
「わぁ!神様が友達なんてスゴい!嬉しいよ!」
「ひゃはは!オラはまだ神ちゃまじゃないだの!
オラは、野のワラシだの!」
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