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必死に勉強して公立高校に入った姉。
勉強は嫌いだけど、自分に見あった公立高校に進学した兄。
あたしだけが、母子家庭という困難さのなか、私立高校にいくことになった。
兄弟に負い目はあるけど、公立高校に失敗したのは、あたしの勉強不足だなんて思ったことはない。受験番号の書き忘れだ。っていまでも信じている。
まわりは『できる』あたしの言うことは信じてくれる。
でも。それは違う。自分に言い訳してるだけなのだ。
そもそも、本気で受験を目指してる学校で受験番号の書き忘れなんてあるのだろうか。
あたしはいつまでこうやって言い訳ばかりをする世界で生きていけるのだろう。
はっきりと、あの高校にはいきたくなかった、とか、勉強は嫌いだ、と言えたら、こんな高い学費の学校に進学しなくてよかったのかもしれない。
わかっているけどやめられない。
素直になれない。
自分で、自分がどうしたいのかいつもわからない。
あたしは、そういう性格だ。
そんなあたしでも、クラスに馴染めないことがあったりするわけで。
昼休みだけ、と音楽室で休憩するようになった頃、先輩とここでお弁当を食べることが多くなった。
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