椿高校 1年生 10月

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夏服が終わり、冬服へと移行したこの季節。 制服を着ることにも慣れてきたなぁ、と冬服のすそをつまんでみる。 担任の先生に、放課後職員室にくるようにとのお達しがあって、あたしは帰る用意を済ませ職員室へと足を運んでいた。 なんだろ、説教かな。 それともこないだの期末テスト、英語めっちゃ悪かったし、その事だろうか。 なんかやだなーと、めずらしく気落ちした面持ちであたしは廊下を進んでいた。 放課後になったばかりだというのに。 ヤル気満々の部員がいるのか、窓の外から合唱部の歌声が聞こえる。 あ、この歌知ってる、と一緒になって小声で口ずさんでいると。 「…………さ、あんた…………だよ!」 合唱部の歌声とは全く違う声が廊下の奥から聞こえてきた。 何て言ってるのかはわからないけど、けんかのような雰囲気だ。 やべ、関わりたくない…………。 そう思ってこっそりとその場を立ち去ろうとしたとき。 「………し、知らないもん…………」 はっきりと聞こえた声は、聞き覚えのある声だった。
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