椿高校 1年生 10月

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「なによあんた、西原先輩に取り入ったりなんかして!」 と、意味のわからない反論が来た。 由真ちゃんが、西原先輩に? 別に取り入ったりなんかしてないと思うけど。 面倒だなーコイツ、と思った瞬間由真ちゃんが泣き出してしまった。 どうしよう慰めるべきかと思ったけど、スッと西原先輩が由真ちゃんの頭に触れ、スッと彼の後ろにかばった。 それはまさに王子様、そのものの仕草で。 いや、やっぱりあたしここにいる必要ある?と思う。 その一連の動作に、由真ちゃんにたかってた女が頬を染める。 バカバカしい。なんだコイツ。 「ねーあんたさー、由真ちゃんになんの用な訳?」 とりあえず何もせずにすごすご出ていくのも気分が悪いので、用だけは聞いておいてあげようと声をかける。 あたしまだ、『のっ?』しか言ってないし。 「いや、別に…………」 西原先輩がいるせいか、女がしり込みした。 「今度さー」 あたしは一歩、彼女たちに近寄る。 ドンッ!と右手を自分の後ろの壁に叩きつける。 思った以上に大きな音がして、ヒッと怯む彼女たち。
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