椿高校 1年生 10月

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「うるさいです。もう、あっちいってください。あたし先生に呼ばれてるんです」 そう言うと、はいはい、といまだ含み笑いをしたあと、ちゃんと冷やすように、と釘を指した。 その後ろ姿を見て、「わかってますよー」と言わんばかりに、べーを返してやる。 なんだ、あれ。 なんだか腹が立つ。 あたしはふんっ、と顔を背け、苛立ちをつれて職員室へと入った。 「太田センセ」 あたしが呼び掛けると、先生は机から顔をあげて、おお、成瀬待ってたぞ!と声をあげた。 「それにしても成瀬、遅かったな?なんかあったのか?」 そう言われてふっ、と職員室の時計を見た。17時ちょっと前。 放課後になってすでに30分以上が経過していた。 時計から先生へと視線を戻し、しばし考える。 由真ちゃんのことを言うかどうか、だ。 でもなぁ。 先輩がいたし、あたしもこれ以上近づくなって牽制したし…………。 これでまた何かしてきたら、彼女らの神経を疑うしかないだろう。 それに、由真ちゃんに先生に言っていいか聞いてないし、そもそもあいつらの名前知らないしな。
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