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「どうしても嫌だったら取り下げるが………役員、やってくれるか?」
さっきのは冗談だったらしい。今度は真面目な顔して先生が聞く。
「推薦されたら…………生徒会って絶対入るんですか?」
そう聞くと、うーん、と先生が困った表情をした。
「絶対、とは言えないかな。お前が嫌がれば、取り消しになるし。人にはその仕事に合う、合わないがあるだろう」
それに、部活が忙しかったりする人もいるからなぁ、と先生が付け足した。
「返事は来週末でいいから考えといてくれ。
クラスから1人必ず推薦するように決まってるんだ。俺にはお前が適任だと思ったが…………お前は部活があるからな。無理だと思うなら断っても構わん」
先生は真面目な顔でそう言った。
来週末までなら、まだ時間はある。
「わかりました」
「おう、ならもういいぞ。気を付けて帰れよ」
「はい、失礼します」
あたしが一礼すると先生はヒラヒラと片手を振った。
とりあえず、説教でなかったことにホッとした。
そういえばお姉ちゃん、高校のとき生徒会役員だったな。
話聞いてみよ、と考えながらあたしは職員室を後にした。
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