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翌日。
「わかったんだよ」
「へ?なんですか?」
いつもの昼休み。
あたしは空腹に耐えられなくて、昼休みになると同時に音楽室に来た。
まだ誰もいない部屋で、早速お弁当を広げる。
お母さんのお弁当は毎日美味しい。
ぱくぱくと口に運んでいると、次に来たのは西原先輩だ。
音楽室に入って開口一番、そう言った。
言いたいことを結論のみ伝えるのは彼の癖。
もうちょっとまとめてから分かりやすく言ってほしいけど、もう癖なんだったら仕方ない。
「昨日のだよ」
「昨日?ああ!由真ちゃんの!」
あのとき、先輩がいたからすっかり由真ちゃんのことは頭の外だった。
それより自分の、生徒会役員をどうしよう、しか考えてなかったのだ。
「というか、わかったって?」
「あのふたりの女の子だよ」
「ふうん。
……………ええっ!?」
あのふたりの女の子って…………1年生だったはず。
「あのー」
「うん」
「たぶん彼女たち1年ですよ」
「だから?」
いや、だから?って…………あたしですら彼女たちのことわからないのに。
あたしがそう思ってるのがわかったんだろう。先輩はニッと笑った。
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