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「あたしね、美波ちゃんみたいになりたいのっ!」
「え?」
それは、どういう意味で?
「もっと、ね、強くなるの。
あたし、思った!こうやってウジウジってしてるから、きっとつけこまれるのよね?」
「うーんとね、ちょっと待って」
あたしは頭のなかをとりあえず整理してみる。
「昨日の件は、詳しいことは知らないけど…………」
さっき、先輩からすべて聞いたけれど、そう言ってしまうと先輩の立場が悪くなると思い、言い方を変える。
「昨日、ちょっとだけ聞こえた会話の感じだと…………悪いのは由真ちゃんじゃなくて、先輩だと思うけど」
前半の、ちょっとだけ聞こえた会話、も嘘だ。正直、ちっとも聞こえてない。
だけど、後半の悪いのは先輩だと思うのは本音だ。
あたしはさておき、西原先輩と長瀬先輩のふたりは、良くも悪くもとても目立つ。
例えるなら、雑草だらけの野原に、菜の花が2本、でかでかと咲いているようなものだ。
そのふたりと一緒にいれば、嫌でも『あんなこと』は起こるだろう。この先も、だ。
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