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話し終わったのか先輩たちがこっちに戻ってきた。
そして、あたしたちの横に断りもなく机をくっつける。
あたしの横に長瀬先輩、由真ちゃんの横に西原先輩だ。
「先輩、昨日はありがとうございました」
「いいよ。たまたま通りかかったら由真がいただけだから」
頭を下げる由真ちゃんにニコッと西原先輩が微笑む。
ん?
と、あたしはなんだか違和感を感じた。
いつから、このふたりこんな雰囲気なんだろう。まるで恋人みたいな。
こりゃ、昨日何かあったな、とあたしは踏んだ。
けれどここで突っ込むのは雰囲気を悪くすると思ったので後々、由真ちゃんに聞くことにする。
「ところで、先輩」
「どうした?」
「聞いたんですよね?」
「何を?」
「昨日のことですよ!」
本気なのかしらばっくれてるのか、どっちともわからない長瀬先輩にちょっとイラッとしつつ、小声で聞く。
目の前では由真ちゃんと西原先輩が楽しそうに会話をしているから、内緒話をするには好都合だ。
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