エピローグ

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先輩が吠える。なんか最近、先輩の突っ込みを聞くことが増えた気がする。 「そうなりますね。 というか、それ以外に何か?」 不服そうな先輩の傍らであたしはイチゴ・オレのパックをぐしゃっと握りつぶした。 イチゴ・オレの分はきちんと話したし、これ以上の用はないし。 「え、まだ話し足りないから!」 背後でまた先輩が吠える。 あたしはそれを無視して、先を歩いた。それにしても、イチゴ・オレって美味しいなと思いながら。 「ごちそーさまでしたー」 「棒読みじゃないか!」 あたしの声に先輩が反論する。ここまで大声なら校舎内に残っている先生や生徒にばれるのも時間の問題だろう。 面倒なことになる前に帰らないと。 特に、杉本にばれたらまた厄介だ。 あたしが決意新たに歩く早さを早めると、木枯らしがびゅうと強く吹いた。 追い風にも負けないぞと、なぜか後ろをついてくる長瀬先輩を振り切るようにして歩く。
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