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先輩からの告白は初めてではない。
入学してまだ2ヶ月だというのに、初めてじゃないってなんだかおかしな話なのだけれど。
初めての告白は、まだ4月だったと思う。在学生の中で希望者は入学式の手伝いをするという伝統が、この学校にはあるのだとか。
そこであたしを見て、一目惚れしたのだと聞いた気がする。
だとしてもあたしは先輩のことを今でも少ししか知らない。
2年A組、優秀クラス。
学校一のモテ男。
校則違反ギリギリに染めた茶髪は、特殊なワックスでもかけたのかというほどさらさらだ。
178センチの長身。パッチリ二重の瞼、バリトンを利かした声。
制服は気崩すことなく正装。
ネクタイがきっちりと締められている。
あたしは、息を整えるためにへたりこんでいる彼を見て、肩を竦める。
確かに、カッコいいとは思う。
モテるのもわかる。
だけど。
もし、あたしが彼のネクタイならとても窮屈に違いない、と思った。
そう思わせるほどに、彼はとてもきちきちしているイメージがある。
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