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「で、帰っていいですか?」
さっきの返事ももらえないのに、ここにいる必要もないので、そう答える。
カバンは手元にある。
スクールバスの時間までまだしばらくあるけど、そんなの、図書室にでもいけば時間はつぶれるものだ。
「ちょ、待って!
………なあ、一応俺、告白したんだけど!」
「へぇー」
本当に帰ろうと背を向けたあたしに、先輩が待ったをかける。
何度も断ったというのに、本当になんだってこんなめんどくさい…………。
あたしは先輩の方へと振り返り、はぁ、とため息をついた。
しかし。
眦を下げてとても悲しそうな表情を見せる先輩に、どうしてか情がわいてしまった。
このときのよくわからない情をあたしは今後、いやというほど後悔させられることになる。
そんなことも知らず、しばし、考える。
そしてピンと来た!
「仕方ないなぁ。
今度の期末テスト、数学で100点とったら付き合ってあげますよ!」
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