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ミスをおかしたことを知ったのは期末テストが終了した、6月の末だった。
期末テストまであたしと距離を置くとでも決めたのか、それからの一切の連絡が途絶えた。
もちろん、電話も。
あたしはとても清々しい気分だった。
自分が言った100点のことなどとうに忘れて。
保育園の頃から習い事でやっている空手部にも入って、毎日楽しく過ごしていた。
そんな時。
バンッと、ドアを勢いよく開けて、放課後のざわざわした教室に、彼は現れた。手になにかを持っている。
「美波!」
なんだか切羽詰まったような顔だ。
久しぶりに先輩を見たなぁ、と呑気なことを考えてあたしは口を開く。
「なんですか。
これからあたし、部活なんですけど」
教室内にはいつかと同じで、いまだ、まばらに生徒が残っていた。
公開告白の件を知っている子が、またざわざわとしだす。
先輩はわかってるのかわかってないのか。
この学校は、恋愛禁止だ。
「とったんだよ!」
「はあ?
何を?」
「何を……………って!?」
すでに帰り支度をしているあたしを、あり得ない目で見る先輩。
その視線をそっくりそのまま返すあたし。
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