プロローグ 椿高校1年生6月

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※※※※※※※※※ ミスをおかしたことを知ったのは期末テストが終了した、6月の末だった。 期末テストまであたしと距離を置くとでも決めたのか、それからの一切の連絡が途絶えた。 もちろん、電話も。 あたしはとても清々しい気分だった。 自分が言った100点のことなどとうに忘れて。 保育園の頃から習い事でやっている空手部にも入って、毎日楽しく過ごしていた。 そんな時。 バンッと、ドアを勢いよく開けて、放課後のざわざわした教室に、彼は現れた。手になにかを持っている。 「美波!」 なんだか切羽詰まったような顔だ。 久しぶりに先輩を見たなぁ、と呑気なことを考えてあたしは口を開く。 「なんですか。 これからあたし、部活なんですけど」 教室内にはいつかと同じで、いまだ、まばらに生徒が残っていた。 公開告白の件を知っている子が、またざわざわとしだす。 先輩はわかってるのかわかってないのか。 この学校は、恋愛禁止だ。 「とったんだよ!」 「はあ? 何を?」 「何を……………って!?」 すでに帰り支度をしているあたしを、あり得ない目で見る先輩。 その視線をそっくりそのまま返すあたし。
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