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「100点だよ!数学の」
「え?」
ヒラヒラと先輩が紙を振る。
あたしはそれを受け取って眺める。
ゴクリ、と自分の唾を飲み込んだ音が聞こえた。
右上の名前欄のところに、これでもかと大きく並ぶ、100の数字。
確かに数学、100点だった。
「約束、守るよな?」
そこでハタッと我に返った。
約束を思い出したのだ。
「嘘でしょ…………」
思わず漏れた言葉に、先輩が顔をしかめる。
まさか、約束破る気じゃないよな?という無言の圧力。
教室ではクラスメイトが成り行きを見守って…………るわけではなく、王子さまこと、長瀬先輩に黄色い声が上がる。
あのー、みなさん、もしもし。 見世物じゃないんだけど。
「さすがだわ、長瀬先輩! 憧れの的ー!!!」
「やっぱりあの噂、嘘じゃなかったんだね!」
「うんうん。 県の一斉模試、2位だったってうわさだよねぇ~」
なんだって!?
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