第1章 運命が回り始めた

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私こと大谷美香。25歳。極々普通の商社で働く、何処にでもいるOLです。特技もこれと言ってないし、自慢できる個人的なことも多分ありません。 趣味は、休日の昼間から柿ピーとビールを嗜む事と昼寝など少々。寝付きの良さなら、ドラ○もんのの○太君にだって負けません。 先月まで面倒くさい彼氏が居ましたけど、関係は解消。まさに綺麗な身辺でございます。 しかし!そんな私の大切な休日が、大変な窮地に立たされています。 晴れ着を着せられて(自分の意志で着ていません。)老舗料亭で、目の前には、鬼上司。永倉司、30歳。会社で嫌と言うほど顎で使われています。パワハラ上司です。実態知らない他の課の女の子達は、ファンクラブ作ってるほど美形の長身。仕草や表情は、殺人級のセクシーさを誇る鬼上司。 しかし、この上司。見せたことないような爽やかな笑顔で座ってます。 そうです!そこの貴女!正解です!お見合いです!陰謀です! 実家に帰って来いと言われて、(もー(笑)パパったら、珍しいもの貰ったからって、私にお裾分け?)なんて思っていたら、実際コレです。 「司?美香さんにお尋ねしたい事はないの?」 「皆さんに聞かれるのが、気恥ずかしいので、後程。」 「美香はないの?」 「私も、後程。」 いやいや、沢山ありますよ!ありすぎて困ってますよ。しかし、どこからツッコミ入れるべきか……… 「それじゃ、後は若い二人に任せて………」 仲人さんが、お決まりの科白を残して立ち上がろうとしてる! 「ちょっ!」 「どうしたの、美香?」 どうしたじゃねぇよ、母上。あんた、このとんでも上司に娘差し出すのかい!? 「どうかしましたか?美香さん。」 あんた、役者になれるよ。とんでも上司に、物凄く心配な顔された!背景が、いつもみたくブラックに見えてるのは、多分私だけ。 「ナンデモナイデス。」 悔しい。黙るしかないその存在感。あー早く終わらないかなぁ。 永倉さんのお母さんとうちのママ。すっかり仲良し。仲人さんと部屋から出て行っちゃった(泣)
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