第1章 運命が回り始めた

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司の頬っぺた抓って、睨みつけた。 「いひゃい………」 「私は司の何なの?」 「嫁ひゃん。」 「暫定彼女。今までの彼女みたいに、何でもわがまま聞かないんだからね!」 「赤ちゃん、産まないの?」 「司君次第。しっかりして。オフィスで鬼上司なんだから、出来るでしょ?」 私の薬指にキスして、見つめられた。 「嫁さんって、思っててもいい?」 さてさて、お仕置きされたいみたい。 「だから!あれだけのことをして、妊娠してる可能性の方が高いの!ちなみに危険日真っ只中よ。」 「責任取るよ。美香を幸せにするから。」 「出来るのね?」 「やる。」 「じゃあ、証を立てて。」 「……もう勃たないよ。」 「そっちじゃなくて、言葉でいいから。」 「美香を、一生大切にする。美香じゃなきゃ、結婚しない!」 真剣な瞳。この人が、誰にでも好かれたいなんて考えてない事は、わかりきっている。だから返事の代わりに抱きついた。 「美香?」 「浮気したら、ちょん切るからね♪」 「しないよ。美香の俺だから、そんなこと出来ないよ。」 全てが初めてずくし。 エッチで気持ち良すぎて、イキ過ぎたのも。 彼氏とどっぷり一晩過ごすのも。エッチ無しでマッタリ過ごしても、終電で追い出してたし。 手料理だって、振舞うことはあっても。私の体を気遣って作ってもらうのは、初めて。 一緒にお風呂に入るのも。湯船で後ろから抱っこされるのも初めて。 そして、逞しい司の腕枕で眠るのも。 「寝顔、可愛い。まつ毛長っ!こっちはまつエクして、少しでも長く見せようとしてるのに……」 「しなくていいよ。まつげエクステ無くても、美香は綺麗だから。」 司より早く起きて、じっくり顔を見てたら、司はその前に起きてたみたい。 「美香のファンに、殺されないようにしなきゃなぁ。」 「は?ファン?」 「追っかけいるよ。」 「私はアイドルじゃねぇ!恋愛は自由だ!」 「はいはい、見えてるよ。着物にあれだけ詰めなきゃいけないくらい、綺麗だね。」 勢い余って起き上がったら、司は苦笑いで毛布を体に巻いてくれた。 「司のファンクラブ、捨て置けないね。」 「あんなのいらない。美香だけでいい。」 .
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