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司の頬っぺた抓って、睨みつけた。
「いひゃい………」
「私は司の何なの?」
「嫁ひゃん。」
「暫定彼女。今までの彼女みたいに、何でもわがまま聞かないんだからね!」
「赤ちゃん、産まないの?」
「司君次第。しっかりして。オフィスで鬼上司なんだから、出来るでしょ?」
私の薬指にキスして、見つめられた。
「嫁さんって、思っててもいい?」
さてさて、お仕置きされたいみたい。
「だから!あれだけのことをして、妊娠してる可能性の方が高いの!ちなみに危険日真っ只中よ。」
「責任取るよ。美香を幸せにするから。」
「出来るのね?」
「やる。」
「じゃあ、証を立てて。」
「……もう勃たないよ。」
「そっちじゃなくて、言葉でいいから。」
「美香を、一生大切にする。美香じゃなきゃ、結婚しない!」
真剣な瞳。この人が、誰にでも好かれたいなんて考えてない事は、わかりきっている。だから返事の代わりに抱きついた。
「美香?」
「浮気したら、ちょん切るからね♪」
「しないよ。美香の俺だから、そんなこと出来ないよ。」
全てが初めてずくし。
エッチで気持ち良すぎて、イキ過ぎたのも。
彼氏とどっぷり一晩過ごすのも。エッチ無しでマッタリ過ごしても、終電で追い出してたし。
手料理だって、振舞うことはあっても。私の体を気遣って作ってもらうのは、初めて。
一緒にお風呂に入るのも。湯船で後ろから抱っこされるのも初めて。
そして、逞しい司の腕枕で眠るのも。
「寝顔、可愛い。まつ毛長っ!こっちはまつエクして、少しでも長く見せようとしてるのに……」
「しなくていいよ。まつげエクステ無くても、美香は綺麗だから。」
司より早く起きて、じっくり顔を見てたら、司はその前に起きてたみたい。
「美香のファンに、殺されないようにしなきゃなぁ。」
「は?ファン?」
「追っかけいるよ。」
「私はアイドルじゃねぇ!恋愛は自由だ!」
「はいはい、見えてるよ。着物にあれだけ詰めなきゃいけないくらい、綺麗だね。」
勢い余って起き上がったら、司は苦笑いで毛布を体に巻いてくれた。
「司のファンクラブ、捨て置けないね。」
「あんなのいらない。美香だけでいい。」
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