第四話 王城にて

8/12
前へ
/143ページ
次へ
「この子が何をした?何も悪いことはしていない。そもそも、ドラゴンは、すべて悪いわけではない。」 王は諭すように言った。 「なにをおっしゃるのですか?ドラゴンは悪い存在だと習ったではありませんか?」 付き人は、アタマが硬い。 「人間でも、悪い人間と、いい人間がいる。それと同じだ。」 王が言った。付き人はだまった。すると、いきなり、カオリに向かって走り出した。 「死ね!」 そういいながら、懐からナイフを出し、カオリに突き出した。 「身体強化 龍」 カオリはそう言うとナイフをよけようとはしなかった。すると、おどろくことが起きた。ナイフが カオリに当たっても、刺さらなかった。龍の鱗に遮られたのだ。付き人は騎士に押さえつけられた。 「お前は何をしたのか分かっているのか?お前は国家反逆罪で死刑だ。」 王が言った。カンカンに怒っている。 「何故です。私はただ、ドラゴンを殺そうとしただけです。」 付き人が釈明するが、 「もういい、牢屋にぶちこめ。」 王がそう言うと、騎士は付き人を連行した。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

145人が本棚に入れています
本棚に追加