第1話「パンダのプンダ、シロクマになる」

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「いや、待てよ。こうして黒い模様をうばわれてプンダは困っているんだろ?」  ピンダはプンダを見ます。  プンダは「困ってるかどうかと言われたら、困ってる気もするなぁ」と答えました。  ピンダはニヤリとします。 「困ってるということは、大切だから困るんだ。だから、これを盗んだひとには何か得があるに違いない!」  やはりピンダは長男です。「ボクたちよりも年上だから、ずいぶんと賢いんだなぁ」とプンダは思いました。  ポンダは何か言いたそうにしていましたが、けっきょく彼女は押し黙ったままです。  ペンダは「ピンダお兄ちゃん、あったまいい~!」と拍手しています。  ピンダは真っ黒で小さな鼻を高くして「えっへん」と胸を張っています。  そしてプンダは笹をモシャモシャ食べていました。 「ではプンダ、お前にはやるべきことがある」  ピンダが言いました。 「え?」とプンダは言います。 「お前は自分の黒模様を取り返さなければいけない」 「うん」 「だから──」  ピンダはそこで区切ると、ビシッとプンダに指さしました。 「犯人をつかまえる旅に出るんだ!」 「うぇ……?」 「世界のいろいろなところへ飛び出すんだ!」 「えっ?」 「森の外へ行くんだ!」 「ええぇ!?」  プンダは、笹をぽとりと落としました。 (第1話 おわり)  
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