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「いや、待てよ。こうして黒い模様をうばわれてプンダは困っているんだろ?」
ピンダはプンダを見ます。
プンダは「困ってるかどうかと言われたら、困ってる気もするなぁ」と答えました。
ピンダはニヤリとします。
「困ってるということは、大切だから困るんだ。だから、これを盗んだひとには何か得があるに違いない!」
やはりピンダは長男です。「ボクたちよりも年上だから、ずいぶんと賢いんだなぁ」とプンダは思いました。
ポンダは何か言いたそうにしていましたが、けっきょく彼女は押し黙ったままです。
ペンダは「ピンダお兄ちゃん、あったまいい~!」と拍手しています。
ピンダは真っ黒で小さな鼻を高くして「えっへん」と胸を張っています。
そしてプンダは笹をモシャモシャ食べていました。
「ではプンダ、お前にはやるべきことがある」
ピンダが言いました。
「え?」とプンダは言います。
「お前は自分の黒模様を取り返さなければいけない」
「うん」
「だから──」
ピンダはそこで区切ると、ビシッとプンダに指さしました。
「犯人をつかまえる旅に出るんだ!」
「うぇ……?」
「世界のいろいろなところへ飛び出すんだ!」
「えっ?」
「森の外へ行くんだ!」
「ええぇ!?」
プンダは、笹をぽとりと落としました。
(第1話 おわり)
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