第2話「パンダのプンダ、森を出る」

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 いつものんきなプンダですので、歩くスピードものろのろです。しかしちょっとずつピンダたちから離れていきます。離れるにつれて胸の中がきゅうっと痛くなりました。  振り返って見ますと、ピンダとペンダとポンダが手を振っています。プンダは何度も何度も振り返ってしまいますが、それでも彼らはずっと手を振っていました。  3人はだんだん小さくなって、白黒の点になって、やがて見えなくなりました。すると、どっと胸の痛みが増すように思いました。プンダは笹をくわえて必死に歯を食いしばりました。  そしてついに森から出たのです。  やわらかな風がプンダの白い毛をなでました。  森の外は、草原でした。  高い木がほとんどないので、遠くには山が見えました。空が広いということを初めて理解しました。草原はどこまでも続いていました。  世界は、プンダが思っていたよりずっと、ずぅっと広かったのです。  森の外は光り輝いているようにプンダは感じました、 (第2話 おわり)  
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