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第3話「パンダのプンダ、黒くなる」
「ねぇキミ、その黒いの、もしかしてボクのぉ?」
傍らに1匹のテントウムシが飛んでいました。
赤い羽根に黒い斑点。
もしかすると、このテントウムシが黒模様を盗んだ犯人かもしれない、とプンダは思ったのでした。
長い旅路でした。プンダの住処から、森の外の草原まで、およそ1kmです。なまけもののプンダはそんな距離を歩いたこともありません。
だって、お腹がすいてしまいます。
しかしそれだけの苦労を重ねた甲斐があったようにプンダは思いました。ようやくこれで黒い模様を求める旅が終わりだ、とプンダは思います。
にっこり満面の笑みで、もう一度、
「ねぇキミ、その黒いの、もしかしてボクのぉ?」
と尋ねました。
しかしテントウムシは「わ、わ、わ!」と叫んでどこかへ飛んでいってしまいました。
テントウムシから見たらプンダはパンダではありません。おそろしいシロクマなのです。
食べられてしまう、とテントウムシは勘違いをしてしまったんですね。
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