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 三浦海岸にほど近い コンビニエンスストアは、 ウイークエンドには朝早くから 気の早いビーチ族で賑わい、 サンオイルや弁当がよく売れていた。  こういった族には、 新聞などに取り上げられる “海開き”など、 何の意味もなかった。  哲は数種類のドリンクを入れた ビニール袋を提げて コンビニから出てきた。  車に戻り、袋を光子に渡す。  光子と哲夫が、 オレンジジュースを飲みながら 持ってきたおにぎりを 食べ始めるのを見届けると、 残り少ない海までの道へ 車を走らせた。  開け放った車窓から吹き込んでくる 六月の潮風が心地よかった。
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