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彼が不慮の事故で亡くなったのはその数ヵ月後だった。
彼の声で『好き』という言葉は1度も聞けなかった。
だけど気持ちは伝わっていた。
あたしと彼はきっと同じ気持ちだったから。
だけど辛くて辛くて胸が張り裂けそうで……。
あれから2年が経つが、いまだ彼を思いだし悲しくなる時がある。
『大丈夫?』
「大丈夫だよ」
彼の声が聞こえた気がし笑顔でそう答える。
「大丈夫だよ。あたしは大丈夫」
あたしはそう言って満天の星空に浮かぶあの山に微笑んだ。
(終)
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