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「……ねえ」 「ごめんね。あの時」 考えていた事は一緒だったらしく言葉がかぶり思わず顔を見合わせると、彼は少し照れたような顔で微笑んだ。 「あの後さ、俺バカだったから先輩に嫌われたと思って」 「避けてたわけじゃ……」 「うん、分かってる」 そういって繋いでいる手に少し力が入った。すると彰は足を止めそれに伴いあたしも足を止め向き合い両手をとった。 「……先輩―――……」 直後、すぐ脇を電車が通過し彰の声は聞こえなかった。 しかし抱き締められ重なった唇はしばらく離れなかった。 あれから……。 どこにいても見える日本一高い山を見るたびに彼を思い出す。
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