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『有終の美』とまではいかなかったが、それなりの記録が出て納得の結果に泣き出した同級生を、部長として笑顔で励まし帰り道もなるべく笑顔でいた。
駅でみんなはそれぞれ別れ、方向が同じあたしと彰は一緒に電車に乗り込んだ。
電車に揺られふと見た車窓には雄大な富士山のシルエット。
いつも見ているその景色が今日はやけに胸に染みた。
そんな景色を見ていると「この後時間ありますか?」と急に聞かれた。
「ん?あるけど……」
「じゃあ……」
あたしの降りる駅はここだが、彰の降りる駅は更に四つ先だ。しかし彰はあたしの腕を取ると一緒に電車から降りた。
「家まで送ります」
「大丈夫だよ」
そうしているうちにドアが閉まり電車は発車してしまい、いつの間にかあたしの荷物を持って歩き出した彰を追いかけ一緒に駅を出た。
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