8/14
前へ
/14ページ
次へ
胸元にあたしを抱いた彰は無言だった。 そのかわり静かに背中を撫でてくれた。その優しさと温もりに我慢していた涙がこぼれた。 泣き出したあたしを彰は優しく抱き締めてくれ、あたしはその胸を借りしばらく泣き続けた。 しばらくして涙が止まった。 彰の腕の中はとても温かく、このままでいたいという気持ちにさせる。 しかし素に戻った頭がこの状況をしっかり理解する。 どうしよう……。 恥ずかしさで顔をあげるどころか身動きさえできない。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加