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「見ての通りの演劇部よ。」
「ごめん、全然気がつかなかったわ。」
閑散とした部室。
パイプ椅子に腰かける彫刻のように微動だにしない先輩以外、何もない。
「…アピール、か。そうだな。今、入部すれば役をもらえるぞ。」
「私、人前に立つの苦手なんです。」
「それを克服するためにもやるべきじゃないかな。」
川田という人は私をチラリと見た。
「よく見ると、結構美人だよね。」
「先輩、アンジュは駄目です!」
突然、マユリが私の前に出た。
「アンジュは箱入り娘なんだから、先輩みたいな野蛮な人とは釣り合いません!」
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