1章~念者・九門安寿(くもんあんじゅ)

12/29
前へ
/159ページ
次へ
「今、わが部に入部すると、ヒロイン役をもらえるぞ。」 山岡先輩は声が大きい。 悪い人ではなさそうだけど。…うざいかも。 「山岡。ヒロインは清水部長と決まってるだろ。そして王子役は彼女のお気に入りの沢村。その構図は崩せない。」 「沢村、大人しいからな。嫌とは言えないんだろ、あいつ。」 山岡先輩はため息をつく。 「清水部長に逆らうと怖いからな。父親が市長ってだけで、威張り散らしやがって。」 「しっ!」とマユリが人指し指を立てた。 「…足音が聞こえます。誰か来ますよ。」
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加