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私はこの場にいることに限界を感じていた。
さらに部員にやって来られては、本当に逃げられなくなりそうだ。
「マユリ、ごめん。帰りが遅いとママに叱られるから。」
私は今度こそ、うまく部屋を逃げ出せた。
途中、一組の男女とすれ違う。
清水部長と、沢村…とかいう人たちかな?
女性は、校則など気にもかけないのか、お化粧をバッチリしているし、その隣を歩く男性は、憂鬱そうである。
多分、話に出て来た二人で間違いない。
私は下を向いて、やり過ごした。
「沢村君の脚本、読ませていただいたわ。だけど肝心のヒロインが描かれていないじゃないの。ヒロインがいなければ演劇には向かないわ、悪いけど。」
「これは友情をテーマにしてるんだ…!」
「でも、ツマラナイ。ツマラナイものを誰が観るもんですか!」
何だか大変そうね。
私には関係ないけれど。
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