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「アンジュでしょ!?覚えてない?私のこと。」
転校して来たばかりの学校の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた。
私はなぜか心臓がトクトクと鳴り、暑くもないのに掌にびっしょりと汗をかいていた。
(誰?どうして私の名前を知っているの?)
この街へは、初めてやって来たのに。
その少女は、無邪気に私の目を覗きこむと、ニッコリ笑った。
「ああ、やっぱり覚えていないんだ!私、影が薄いからなあ…。」
記憶の引き出しを、無理矢理こじ開けた…でも、やはりこの少女のデータが見つからない。
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