1章~念者・九門安寿(くもんあんじゅ)

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「私はアンジュの事、忘れないよ。だって友達だもん!」 友達…? 私には、友達なんていなかったはず。 「ごめん。貴女の名前を聞いてもいい?」 「マユリ…春野真由里。陸上部で一緒だったよ。」 マユリ…陸上部…。 そう言えば、陸上部に入っていた事があったなあ。 ほとんど幽霊部員だけど。 (…痛ッ!何だろう?思い出そうとすると頭痛がする。) 「うん…何となく思い出したかも。うち、親の仕事の都合で転校ばかり繰り返してるから。なかなか人の名前を覚えられなくて。」 マユリは「そうなんだあ…」と笑った。
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