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「安寿、まだ起きてるの?」
部屋のドアが薄く開いた。
「ママ…実は今日、学校で知っている人に会ったわ。」
「何ですって…?」
やめておけば良かった。
ママは既に精神が侵されている。
「せっかく引っ越しをしたのに、また、なの?」
出来れば、3年くらいは住み続けたい、と言ったママ。…この街をとても気に入ったと言ってた。
「大丈夫よ。あちらも転勤族で、偶然一緒だっただけ。…私のことを覚えてすらいないし。」
嘘をついた。
マユリが何も知らなければ、それで済むことだから。
彼女から目を離さないでいよう。
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